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統計的決定 その4

今回は結果の生起確率について着目します。

*主観確率

・繰り返しのない事象の生起確率
→ 生起頻度から得られない
→ 主観的な判断に基づく ・・・ 主観確率
→ 前々回でやった雨が降る確率とか採掘成功確率など

意思決定において結果の生起確率は多くは主観的なもの

・確率の公理を満たせば確率

確率の公理とは?

n個の事象E1,E2,・・・,Enに関して、
・必ず起こる事象(全事象)をΩとすると、

E1 U E2 U ・・・ U En=Ω

この式の意味

事象E1,E2・・・Enの事象のうち、いずれかが必ず起こる

・事象Eに対して実数P(E)を対応させる関数で、
1.任意の事象Eに対して、P(E)≧0
2.P(Ω)=1
3.Ei ∩ Ej=Φ(i≠j)であれば、つまりEiとEjは同時には起こらないならば
     P(Ei U Ej)=P(Ei)+P(Ej)

上記3つの条件を満たす時、Pは確率であるといえる。

・事象EとFが同時に起こる同時確率・・・P(E ∩ F)

・Eが起こったことが既知という条件のもとで
Fが起こる確率(条件付き確率)・・・P(E|F)

P(E|F)=P(E ∩ F)/ P(E)

同時確率について、ベイズの定理が成り立つ。

ベイズの定理

E1 U E2 U ・・・ U En=Ω
Ei ∩ Ej=Φ(i≠j)
の時、

P(Ei|F)=P(Ei)P(F|Ei)/ΣP(Ej)p(F|Ej)

例)
・ある病は100人に1人の割合でかかる
・その病の検査法は、
実際にその病に罹患しているとき95%の確率で陽性反応
その病でない人でも5%の確率で陽性反応(偽陽性)
・ある人を検査したところ、陽性反応が出た
・その人がその病にかかっている確率を求めよ

*病にかかっている事象をC
*かかっていない事象をCc
*P(C)=0.01 , P(Cc)=0.99

*陽性反応が出る事象をA 出ない事象をAcとすると
病である時、陽性反応が出る確率P(A|C)=0.95
病でない時、陽性反応が出る確率P(A|Cc)=0.05

ある人が検査で陽性反応が出た時、その人が病である確率は

P(C|A)=P(C)P(A|C)/P(C)P(A|C)+P(Cc)P(A|Cc)
=0.01*0.95/0.01*0.95+0.99*0.05=0.16

・P(C):検査結果を知る前のCの確率・・・事前確率
・P(C|A):検査結果を知った後のCの確率・・・事後確率

意思決定において、決定に関連する結果の生起確率は決定に大きな影響を与えるため、市場調査を綿密に行い情報を得てから意思決定を行うことが大切である。


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