生態系における撹乱について勉強しました。
撹乱とは何か?
カワラノギクの例
カワラノギク
・キク科の可変性二年草
・砂礫に覆われた川原に生育
・絶滅危惧植物
カワラノギクが生育するには他の生物に邪魔させない場所が必要
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大きな石がゴロゴロ転がっている場所に生育
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他の植物も生えて成長し始めるとカワラノギクピンチ
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河川の増水によって石や植物が流されてまたゴロゴロ石が転がっている場所ができる(撹乱)
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カワラノギクの種がいち早く発芽し、花を咲かせて種を作る
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カワラノギクの天下 再来
なぜ絶滅危惧種になってしまったのか?
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人間がダムなどで河川の水量を適切にコントロールするようになる
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あまり大規模な増水・洪水が起こらない
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ゴロゴロ石が転がっている場所ができにくくなった
現在は人工的にそのような場所を作る試みがなされている
撹乱とは
・ある場所から生物体が除去され、そこに新しい生物が定着することが可能になる「変化」のこと
・今まで生息していた生物が占有していた空間や資源が解放され、他の生物もそれらを利用できるようになること
いろいろな撹乱
:波浪:
強い波が岩や人工構造物に付着した生物を剥離させる(撹乱)
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他の生物が生育できるようになる
:野火・山火事:
野火や山火事によってその場所に生育していた生物がなくなる(撹乱)
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地上が燃えても地下はあまり温度が上がらないため地下茎や種は生きている
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植生の再生
:強風や落雷:
台風などの強風や落雷などにより木が倒れ、そのとき他の植物等も巻き添えにするため空き地(樹冠ギャップと呼ぶ)ができる(撹乱)
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植生遷移の段階が局所的に逆行する
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新しい生物育成のチャンス
:放牧:
草食動物の群れなどによりその場所の植物が食べられる(撹乱)
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他の生物が生育できるようになる
~ 種の多様性からの観点 ~
家畜がいない場合(撹乱なし)
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競争に強い植物がその場所を占有してしまう
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種の多様性が落ちていく
適度に家畜がいる場合(適度な撹乱)
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草が食べられて競争に強い植物もその場所を占有できない
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種の多様性が高くなる
* 適度な撹乱なら問題はないが、過度の撹乱が起きるとその場所の植生が失われてしまう
例えば、限られた場所に多くの家畜を放牧した場合(過放牧)、家畜がその場所の植物を食べ尽くしてしまって植物が再生できなくなる。(退行遷移)
撹乱の影響
撹乱が無い場合
→ 競争に強い生物が空間や資源を占有してしまう
→ 生物多様性の減少
撹乱の影響が大きい場合
→ 影響が大きすぎるとどの生物も生きられない
中規模な撹乱のとき種の多様性が最大となる。(中規模撹乱説)
Connell,J.H.(1978年)による中規模撹乱説の図説
:思ったこと:
人間は地球の動植物を食べて生きているがこれも撹乱にあてはまると思う。
過放牧で退行遷移が起こるのと同様に
人口が増えすぎると地球にも同じことが起こるのではないか?
現に地球上の絶滅危惧種は増加していて種の多様性が減少していると思う。
この先どうなるのかな?
・・・
などと思いました。 ^-^