臨床心理学を勉強しました。
~ 臨床心理学とは ~
・なんらかの心の問題や葛藤を持つ人々に対して心理学的な知識や技法で援助する実践
・その実践のための理論や技法を研究する学問
司法の場における臨床心理学者
矯正保護心理学
被害者心理学
他の領域の心理学
→ 研究などに重点を置く。実践はその応用。
臨床心理学
→ 実際に現場に入って心の問題を抱えた人々に直接会う
→ 実践が学問の中核
~ 心理臨床の領域 ~
・教育 (学校カウンセラーなど)
・医療
・福祉
・個人開業
・司法
・その他
~ 司法領域の心理臨床 ~
犯罪・非行における臨床心理学
犯罪・非行臨床の実務
1.犯罪者・非行少年にたいするアセスメント
[目的]
→ その個人が、なぜ犯罪・非行を行ったかを理解する
→ その個人が、犯罪・非行を繰り返さず、立ち直るために、どのような教育的働きかけや治療が有効かを提言する
アセスメント
→ 各技法を用い、多面的な情報・資料を収集し、統合する
技法の種類
・面接
→ 語られた内容だけではなく、話し方や態度といった非言語的コミュニケーションからも多くの情報
・行動観察
a.自然観察
→ 自然のありのままの状態を見ていく観察
b.実験観察
→ 意図的な働きかけを加えて、それに対する反応を詳しく見る
・心理テスト(テストバッテリー)
→ 知能検査やパーソナリティー検査など数種類の検査が行われるのが一般的
・社会的資料の収集 (重要)
→ 対象者の親、学校、職場など対象者にとっての重要な他者から生育史や学校生活、就業の様子、対人関係など事実的側面の情報を把握
→ 対象者を周囲の環境との相互作用の観点から把握する
ここで得られた対象者の認識が、前もって行われた面接や心理テストで得られた情報と異なることもある。
2.犯罪者・非行少年に対する教育的・治療的介入
[目的]
→ その個人が、犯罪・非行を繰り返さず、健全な社会復帰をすること
→ 再犯を防ぐことが被害者を増やさないことにつながる
~ 犯罪・非行臨床における動向 ~
1.心神喪失者等医療観察法制度の導入
2.成人矯正および更生保護における処遇プログラム受講の義務化
3.犯罪被害者への心理的支援
~ 犯罪・非行臨床の特徴 (一般臨床との違い)~
・非自発的な対象者
a.自発的ではなく、むりやり臨床の場に引きずり出されたため動機づけが低いことが多い。
b.治療者に不信感や敵対な感情を持つことが多い。
・二重の役割
a.対象者を支援する役割
b.社会の安全を確保する役割
・各機関の法的な位置づけによる時間的な制約がある
~ 心理臨床に求められること ~
犯罪や非行行動、司法制度に関する知識は必要であるが
基本は一般の心理臨床と同じ。
・対象者を理解し、援助するために、アセスメントの方法を身につけること。
・援助するための理論や技法を学ぶこと。
・彼らにかかわっている自分の実践について、自分自身について振り返ること。
~ 代表的な臨床心理面接のアプローチ ~
・過去から現在に至る過程に着目する
→ フロイトの精神分析学など
・現在の主観的・現象的世界に着目する
→ ロジャースの来談者(クライエント)中心療法など
・環境が及ぼす影響や、人が自分を取り巻く環境をどのように認識するかに着目する
→ 行動療法・認知行動療法など
・心の問題を個人ではなく、周辺の人も含むシステム全体の問題としてとらえる
→ 家族療法など